かまりくんの遊び場

電子工作とか

マルチバイブレータで遊ぼう1



はじめに

どうも、かまりです。

この「マルチバイブレータで遊ぼう」シリーズでは名前の通りマルチバイブレータについて扱います。特にこの記事では双安定マルチバイブレータについて扱います。

マルチバイブレータってなぁに

ja.wikipedia.org

今回作った双安定マルチバイブレータ 

さて、マルチバイブレータについて多少わかっていただいたところで、双安定マルチバイブレータの動作についてそこそこ丁寧に説明します。イメージわかない人もいると思うので動画はっつけときます。

動画だとこんな感じの動作です↓

https://twitter.com/kamarikun/status/1104713583001165825

 

ここからの説明は下の画像を見ながら読んでください。

  1.  最初はどこにも電流が流れていない。
  2. Sに電流をオンにする。
    すると、Q4がオンになりQ4のコレクタエミッタ間に電流が流れる。これと並列につながっているQ5のトランジスタのベースもオンになる。
    このときQ5とR6は並列であるが、Q5のほうは抵抗がないのでR5には電流が流れずQ5のみに電流が流れる。ゆえにQ2のトランジスタはオフのままになる。
    またR1とR3は並列なのでR1にも電流が流れ、Q1はオンになってOUTPUTに電流が流れる。
  3. Sの電流をオフにする。
    Q4に電流は流れなくなるが、Q5には電流が流れているので2の状態をキープする。
  4. Rの電流をオンにする。
    すると、Q3がオンになりQ3のコレクタエミッタ間に電流が流れる。これと並列につながっているQ2のトランジスタのベースもオンになる。
    このときQ2とR3は並列であるが、Q2のほうは抵抗がないのでR1、R3には電流が流れずQ2のみに電流が流れる。ゆえにQ5、Q1のトランジスタがオフになる。 また、OUTPUTに電流は流れなくなる。
  5. Rの電流をオフにする。
    Q3に電流は流れなくなるが、Q2には電流が流れているので4の状態をキープする。
  6. 以後繰り返し

f:id:kamarikun:20190317185917p:plain

双安定マルチバイブレータ

RSフリップフロップ回路

動作原理について理解してもらったところでこんな回路何に使うんじゃと思った方、察しがついた方いると思います。

そうです、ファイナルファンタジーではありません。

この双安定マルチバイブレータはRSフリップフロップとして機能します。

RSフリップフロップとはなんぞやという方、黙って真理値表をみましょう。

真理値表は以下です。

 

R S OUTPUT
0 0 保持
0 1 1
1 0 0
1 1 禁止

 

フリップフロップとは記憶する論理回路で、コンピュータのメモリには欠かせない回路です。

Sに1を1度入力すると、Rに1を入力するまで1を出力し続ける。逆にRに1を1度入力するとSに1入力するまで0を出力し続けます。また、1、1のときに禁止なのは意図しない動作をする可能性があるからです。

ちなみにSとRはSETとRESETの頭文字です。わざわざRSフリップフロップと書いているのは、ほかにもJKフリップフロップとかもあるからです。興味のある方はぜひ調べてみてください。

 

今更ですが、今回の記事はフリップフロップを作るということで始めたのですが、結局は双安定マルチバイブレータを作ることに至りました。

苦戦したところ

今回の双安定マルチバイブレータですが、OUTPUTの仕方でとても苦戦しました。というのも、双安定マルチバイブレータ自体はネット上に回路がたくさん上がっていたのでそのまま参考にして回路を組んでみたのですが、その元の回路は上の図でいうR2、R7と直列でLEDをつないでいるもので吐き出しの信号として使うにはどうやって出力すればよいのかわかりませんでした。そのうえ、R2、R7はオフの時でもベース電流として微弱な電流が流れているので完全に0Vにすることができず、信号としては使えそうにありませんでした。

さて、下の画像を見てください。僕のブログを読まれた方なら見覚えがあると思います。そうです、NOT回路です。OUTPUTに使ったのは前回のブログで書いたNOT回路です。上の画像のR1、R3が並列なのできれいにスイッチングできます。こうすることでしっかりとオンの時は5V、オフの時は0Vの電圧の信号が取れます。

f:id:kamarikun:20190317193520p:plain

NOT回路

おわりに

クソクソガバガバダブンダブンのダラダラ駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます。計算機作ろう without IC プロジェクトの中で、まともに動くフリップフロップ設計できてよかったです。最初はマルチバイブレータなんて余裕やろと思っていたのですが、しっかりと設計しようとすると難しくて一週間くらい頭を抱えていつの間にかNPNトランジスタのコレクタピンだけペロペロするようになってました。

割と難しくて面白いので興味を持った方はぜひ作ってみてください。

 

次の「マルチバイブレータで遊ぼう2」では非安定マルチバイブレータ発振回路について扱います。お楽しみに!

 

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